今年、第一回目の観音参りを実施した。朝から雨が降っていて、岩木山は雲の陰で全く姿が見えない状態であった。これまで30回以上観音参りをしてきたが、雨にあたったのは今回が初めてである。
それだけ、世の中が大変な事になっているということなのであろう。それでも2番札所の清水観音に着くころには天気が回復し、晴れの天気になった。今回の参加人員は8名でいつもの顔ぶれが集まった。
気の置けないメンバーだけということで、納経帳を持たずに参拝した。過去に参拝したことで4冊もの納経帳を持っているため、これ以上納経帳を増やす必要が無いことと、経費の節約と一ヵ所での時間の節約を目的としている。
午前8時30分に所定の場所に集合した。その後、2台の自家用車に分乗して、小雨の降る中、一番札所の久渡寺に向かったのである。
久渡寺には午前9時14分に到着した。昨年もそうであったが、こどもの森の山開きの日とぶつかったのである。多数の親子連れが参加していたのだが、幸い駐車場が空いていたので誘導員の指示する場所に車を停めた。雨は気にならない程度まで止んで来ていた。今回の参拝は、深浦町の風合瀬にある「道の駅ふかうら かそせいか焼き村」で買い物をするため、5番の十腰内観音堂から一気に10番の円覚寺に行き、途中で「いか焼き村」に寄れるように順路を変更しての参拝を行った。
第4番札所の南貞院に着いた時は、すっかり天気が回復していた。神額を写したのだが、朱色の塗料が塗り立てだったこともあり、朱色がハレーションを起こしたように写っていた。フラッシュを使用して写したのが原因だったのかも知れない。
駐車場は十分に広く、トイレは社の右側の奥にある。ご朱印は右隣の社務所で押せるが、無人の為にセルフサービスとなっている。今回の参拝は納経帳を持たないため、納経だけとなっている。
天気が良くなっているが、霊峰岩木山は8合目まで雲の中に隠れており、頂上は最後まで見せる事はなかった。これまでに体験した事がない「雨降りの天気」、「岩木山が山頂を見せない」という2つの事は何を意味しているのかは理解できていない。しかし、世界平和、日本の安寧、津軽地方の安泰、地震や噴火が無いようにと各札所の観音様に祈念しての巡拝であった。幾ら自分や個人的な事をお願いしても、世界情勢が悪化、周辺事態が悪化して日本国が不安定になったり、自然災害があれば、個人の願いも叶えられないのである。
5番札所は、12時09分に到着した。昼食は、納経が終わってから、巌鬼山神社の本堂をお借りして取る事にした。また、次は深浦の10番札所に行く事も観音様にお知らせした。参拝順序の変更理由は、弘前から遠い深浦へ来ているのに、時間が遅くなることが多く、買い物ができないことにあった。ここからは、1時間半程度で深浦町まで行くことができる。そうすれば、円覚寺までの途中で風合瀬(かそせ)にある道の駅「いか焼き村」へ立ち寄れば営業時間に十分間に合うのである。
従って10番(円覚寺)―9番(見入山観音)―8番(日照田観音)―7番(北浮田弘誓閣)―6番(湯船観音)と逆にたどる事になる。この方が、参拝者が弘前市に住まいしている関係と女性参拝者が買い物ができる時間が取れるので便利である。
しかし、その旨を観音様にお願いする事を忘れてはならない。
★第5番札所 巌鬼山神社(十腰内観音堂)★
霊峰岩木山は独立峰であるが、中央を「岩木山」、その左側を「鳥海山」、右側を「厳鬼山」と呼んでいる。つまり、岩木山は3つの峰から成り立っているのである。また、地元では、中央の岩木山を「阿弥陀如来」、鳥海山を「薬師如来」、「厳鬼山を「観世音菩薩」に見立てている。長勝寺「蒼竜窟」にある三尊仏厨子堂三尊仏厨子堂の三尊は、この岩木山の姿を現したものだと伝えられている。
ところで、現在の岩木山信仰の中心は百沢の岩木山神社であるが、元はここ巌鬼山神社が信仰の中心であった。土地の名前から「十腰内(とこしない)観音堂」とよばれ、古くから信仰の対象となっている。縁起によれば、昔、この辺りに悪鬼がおり、退治するために山神に祈ったところ、「「卍」の旗紋を用いよ」というお告げがあり、それを用いたところ、たちまち鬼は退散したという伝えがある。そのことに感謝して、観音様を安置したお堂が建立された。そのお堂が巌鬼山神社なのである。
円覚寺の本堂である。いつもは、1番から10番まで番号順に巡拝するのであるが、そうなると夕方(午後4時半頃)になってからの納経となってしまう。今回は午後2時半ころに到着したのでゆっくりと納経することができたのであった。 円覚寺の左隣には、風待ち館があるので見学すると良い。江戸時代から明治時代の初めにかけて、日本海の交易の要として活躍した北前船。深浦町はかつて北前船の風待ち湊として栄え、大阪や京都などから様々な文化 が入ってきた。その「北前船」の歴史を紹介している。

追良瀬にある第9番札所の見入山観音堂である。急な坂道を登らなければならないのである。この霊場が今回最大の難所となっている。ここのご朱印は、深浦の円覚寺が取り扱っている。次は、第8番札所の日照田観音へ参拝した。一直線の急な石段を上ると息が切れてしまう。 観音堂から石段を見下ろすと如何に急であるかが分かる。下りた右側に駐車スペースとトイレがある。道が狭いので車の走行には注意を要する。

日照田を後にして、鯵ケ沢の北浮田にある第7番札所の弘誓閣観音堂に向かった。 着いたところ扉が施錠されているため、本堂の外側で納経した。
最後は第6番札所、湯船観音(高倉神社)であった。午後5時半に到着した。直ちに納経を済ませて帰路についた。午後6時前に10ヵ所を参拝することができた。観音様のご加護のお蔭で、事故もなく無事に参拝できたことに感謝である。第2回目(11番から21番)の参拝は6月下旬を予定している。詳細は、佐藤研究室の津軽三十三観音参りのページをご利用願いたい。
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